車内クリーニングで大変なケースといえば、嘔吐処理や灯油こぼし等ですが、これらは簡易的なクリーニングではまったく意味がありません。
灯油クリーニングの様子を2話に分けてお伝えします。
スズキ スペーシアの車内クリーニング part1
スズキ スペーシアの車内クリーニング part2
スズキ スペーシアの車内クリーニング (灯油こぼし)
スズキ スペーシア
車内に灯油をこぼしてしまい『 何とかなりませんか?』とのご相談です。
色々とご相談させていただいた結果、損害保険を使用した車内クリーニングをご依頼いただきました。
灯油こぼし
後部座席のあたりに灯油を数リットルこぼされたとのことで、車内はかなりの灯油臭。
この状態でよく運転されてましたね。
少し車内にいただけで気持ちが悪くなるほど強烈な臭いです。
ご自分でも重曹をまかれたり色々とやってみられたそうですが、改善されるはずもなく・・・。
これは何とかしてあげたい!!
出来る限りのクリーニングをして、また何とか気持ちよく乗っていただけるようにしなければ・・・。
シートを取り外して更に確認してみます。
フロアカーペットにもたっぷり浸み込んでいるようです。
フロアカーペットも取り外してみると・・・
フロアパッドにもしっかりと浸み込んでいますので、こちらも更に取り外してみると・・・
これはかなりヤバい状態ですね。
シートサイレンサーにも大量に灯油が浸み込んでいるだけでなく・・・
ダッシュパネル裏のインナーサイレンサーにも浸み込んでしまっています。
こういった場合、クリーニングだけを行っても臭いは100%残ってしまいます。
臭いの元を取り除かない限り、ずっと臭い続けてしまいますので、部品交換等を含めた徹底クリーニングが必要になります。
重曹を使用した灯油の吸収除去
クリーニングに取り掛かる前に、まずはボディ部分等に吸着した灯油を除去する必要がありますので、まずは重曹を散布していきます。
重曹をまいては掃除機をかけ、またまいては掃除機をかけるという作業を数日間に渡って繰り返しました。
シートサイレンサー除去
続いては、灯油が浸み込んでしまっているシートサイレンサーを除去していきます。
掃除機をかけた後・・・
灯油をたっぷり吸っているシートサイレンサーを剥がしていきますが・・・
万が一火災が起こってはいけませんので、サンダー等は使用することが出来ません。
ひたすらスクレーパーを使って、手で地道に剥がしていきました。
この通りです。
この時点で既に予算オーバーです………。
損害保険会社のアジャスターは、こういった作業をしていることすら理解せずに工賃を値切ってきますが、自分でやってみればいいのに・・・と思いますね。
インストルメントパネル脱着
ここから本来であれば、通常のクリーニングに取り掛かりたいところですが・・・
インストルメントパネルの裏側から出ている・・・
インナーサイレンサーにも灯油が浸み込んでしまっていましたので、インストルメントパネルを脱着しなければなりません。
クーラント液を抜いた後、インストルメントパネルを脱着していきます。
ここまでやる施工業者って、なかなかいないと思います。
インナーサイレンサーを交換するだけでなく、ボディ側も特殊溶剤を使ってクリーニングしておきました。
徹底的に臭いの元を除去クリーニングです。
灯油の臭いに効果のある消臭剤も散布しておきました。
新品のインナーサイレンサーを取り付けた後、インストルメントパネル等を元通りに組み付けて・・・
クーラント液やクーラーガスを充填しました。
スズキ スペーシアの車内クリーニング part2 の記事へ続く・・・
2023/08/27 19:00UP予定です。
スズキ スペーシアの車内クリーニング part1
スズキ スペーシアの車内クリーニング part2
資格:二級ガソリン自動車整備士・三級自動車シャシ整備士
専門:カーコーティング・車内クリーニング
電装・内装リペア等
磨き・クリーニング・電装・修理等々様々な作業をそつなくこなすユーティリティプレーヤー。
その器用さはティーズフィルムNO,1を誇る。
各作業にファンが多い職人です。